隅々まで道場を知り尽くした古参のような新人門下生

「おっと。こっから先はNG。追い出されちまう。まあ、そこの二部屋が秘密の花園ってやつだ」
 さすがのN・Tも女部屋に侵入していく勇気はないようだった。その後もN・Tはひとつひとつの部屋を充分な時間をかけて丁寧に解説しながら案内してくれた。
「ここは週替わりで使ってる男部屋らしい。通称『賢者の部屋』だ」
「賢者の部屋?」
「まあ、要はオ○ニールームってことだろう」
 N・Tの憶測は案外的を射ているのかもしれない。
「っていうか、本当にアンタ今朝きたばっかなの?なんかここの間取りにやたら詳しいけど」
 見取り図でも見せて貰ったのだろうか、あたかも道場を隈なく知り尽くした手練手管の古参のように案内をするN・T。ひょっとするとこの男はN家の親戚か何かなのかもしれないという疑惑まで浮上してくる。
「皆が農作業に行ってる間、暇だったもんで。一人であちこち散策してたらHさんが帰ってきてから色々教えてくれた」
 N・Tはまるで泥棒みたいなヤツだ。主婦 キャッシング